株式会社1009(Claudio Pandiani)とサプライヤー契約を結ぶアスリートと弊社スタッフ堤による対談企画。今回はジェフ千葉などで活躍し、日本代表としてドイツ・ワールドカップにも出場した巻誠一郎さん。引退後、サッカースクールを立ち上げるなどさまざまな社会貢献活動を行う巻さんからプロ選手を目指す子どもたちへのメッセージを頂きました。

 

 

 

◇巻誠一郎(まき・せいいちろう)
1980年8月7日生まれ。熊本県出身。2003年、駒澤大卒業後に当時のジェフユナイテッド市原に入団しプロデビュー。05年にジーコ監督の下で日本代表入りを果たし、06年のドイツW杯に出場した。ロシアや中国など海外でのプレーを経て、2011年に東京ヴェルディに加入。14年には熊本を本拠地とするロアッソ熊本へ移籍し、18年に現役引退するまで16年間のプロキャリアを全力で駆け抜けた。

学生時代はアイスホッケーと両立「サッカーをする上でも役立っていた」

 

――巻さん、本日はよろしくお願いします!まずは私たちのブランド(Claudio Pandiani)の印象を教えて下さい。

巻誠一郎(以下、巻):まずはやっぱりデザインが印象に残りますよね。スポーツウェアというと、今まではスポーツをする時だけ着るイメージでしたけど、クラウディオパンディアーニは普段の生活でも気軽に着れる。デザイン性がよくて、重宝してます。

 

――周囲からはどのような反響がありますか?

巻:やっぱりロゴのワンちゃん(クラウディオパンディアーニくん)がかわいいって言ってもらえますね。

SJ21114/半袖TEE/ホワイト/XLサイズ

――「こんな商品があったらいいな」と感じるものがあったら教えていただけますか?

巻:僕らは子どもたちのサッカースクールをやっているので、もう少し小学生や中学生向けのバリエーションがあったら、すごくありがたいですね。

 

――ありがとうございます。参考にさせていただきます。普段、服を購入する際にどのような部分を重視していますか?

巻:デザイン性ももちろん重要ですけど、何よりも着心地、動きやすさですね。普段の移動の時でも服でストレスを感じたくないので、Tシャツやスニーカーを身につけることが多いんです。そういう意味でクラウディオパンディアーニは動きやすさも非常にあって助かっています。

 

――カバンや小物などにもこだわりはありますか?

巻:僕は靴が大好きなんです。サッカーのスパイクもデザインや機能面はすごく細かいところまで気にしていました。現役を引退してスパイクを履かなくなったので、今は主にスニーカーですけど、履きやすさだけじゃなくてデザイン性がいいと思ったらすぐに買っちゃう方です。

――ありがとうございます。巻さんといえば、サッカーの前にアイスホッケーをされていたんですよね。アイスホッケーとサッカーの両方をやっていたことでプレーに生きた部分はありましたか?

巻:アイスホッケーはみなさんよく知っているように氷の上のスポーツです。ホッケーシューズを履いてプレーすることで、バランス感覚が養われました。とてもフィジカルコンタクトが多いスポーツなので、相手に体を当てるタイミングもサッカーをする上で生かせたと思います。

そして、アイスホッケーは点で合わせるスポーツ。小さなパックにしっかりと面で合わせなきゃいけないですし、本当にワンタッチゴールが多いスポーツなんです。サッカーのFWとしての得点感覚はアイスホッケーで培ってきたスキルだなと思いますし、アイスホッケーをやっていたことはサッカーをする上でも役立っていたと思います。

 

心に残るオシム氏からの言葉「巻はジダンにはなれないけど…」

――高校生になってもサッカーとアイスホッケーを両立されていましたが、プロサッカー選手になろうと意識したのはいつごろだったのですか?

巻:高校2年生か3年生に上がるタイミングですかね。高校2年生の時、熊本県選抜で海外に行って、現地のサッカークリニックに行ったんです。その時に、当時スペインの1部リーグで監督をしていた方の指導を受けました。日本に帰ってきてからその方に「プロになる素質があるからスペインに来て、本気でプロを目指さないか」と言ってもらい、プロになりたいという気持ちが強くなった。そこで初めてプロサッカー選手を意識し始めました。

――2003年にプロデビューを果たしたジェフ千葉はもちろん、日本代表でも活躍されました。プロキャリアの中で印象に残っている監督を教えて下さい。

巻:これはもうイビチャ・オシムさんですね。直接言われた言葉ではないんですが、「巻はジダンにはなれないけど、ジダンにないものを持っている」と言っていただいたことがあって、この言葉は僕の何かサッカー以外の部分でもそうなんですけど、すごく勇気になりましたし、プレーの指標になりました。

 

――一番印象に残ってるゴールなどはありますか?

巻:実はあまりゴールにこだわりはありませんでした。どちらかといえば綺麗なゴールよりも、泥臭いゴールの方が印象に残っていますし、好きなんです。これっていうものは、あまり絞れないんですけど。

 

――背番号にこだわりを持っている選手も多いと思いますが、巻さんはありましたか?

巻:プロになって最初につけた番号が18番でした。学生時代は9番をずっとつけていて、不思議と9の倍数で付けることが多かったです。代表の一番最初につけた番号は36番でした。それらの番号は自分の中でも縁起がいいなと思って、自然と選んだりする番号です。

子どもたちへのメッセージ「学んだこと、見たこと、感じたことにぜひチャレンジを」

――引退後はサッカーに限らず、熊本の復興支援やスクールを通じた子どもたちへの支援などさまざまな活動に携わっていらっしゃいますが、どのようなビジョンをもって活動に取り組まれているのでしょうか?

巻:自分のパーソナリティを発揮できるところ、というのを意識しています。僕は誰かのために何かアクションを起こす時にこそ力を最大限に発揮できると思っています。そして、誰でもできることはあまりやりたくない。僕にしかできないことを探して、そこにコミットしていくことをこれからも続けていきたいです。

 

(写真:巻さんインスタグラムより @makiseiichiro9 )
SJ22A01/ワークアウトシャツ/蛍光イエロー/XLサイズ
SJ22A27/トレーニングロングパンツ/蛍光イエロー/XLサイズ

――最後に、サッカー選手を目指している子どもたちへメッセージをお願いします。

巻:若い選手たちを見ていると、もちろん全員ではありませんが、トレーニングのためのトレーニングをしている選手が多いと感じることがあります。練習が終わった後の居残り練習で力を発揮したりしている子が多いと思うんです。でも本来、サッカーは与えられた時間でやるスポーツです。大人だったら90分。子どもだったら30分とか60分という時間が決められている。トレーニングの中でも、与えられた時間の中で100%でプレーすることが一番大事だと思っていて、目の前にあるトレーニングに100%で取り組むことが大事だなと思います。余力を残さずに出し切るということです。

 

それから今はYouTubeなどSNSの環境が揃っていて、トップ選手のプレー集を動画で見ただけで、自分がやった気持ちになってしまう子も多いと思います。でも、実際は見たものをアウトプット、チャレンジすることが大切。僕らの時代にはそういう情報がなかったので、やれることはチャレンジだけだった。僕は情報とチャレンジの掛け算が重要だと思っています。情報を100持っていても、チャレンジが0だったら100×0=0になってしまいます。情報ももちろん大事ですが、学んだこと、見たこと、感じたことに是非チャレンジしてもらいたい。それこそがサッカーが上手くなる秘訣ですし、大切だということを子どもたちに伝えたいです。

 

(写真:巻さんインスタグラムより @makiseiichiro9 )
※SJ22A01/ワークアウトシャツ/蛍光イエロー/XLサイズ(現在品切中)
SJ22A27/トレーニングロングパンツ/蛍光イエロー/XLサイズ

 

――巻さん、貴重なお話ありがとうございました。

<聞き手>・堤 三優菜(つつみ・みゆな)
<文・編集>・石川遼