株式会社1009(Claudio Pandiani)とサプライヤー契約を結ぶアスリートと弊社スタッフ堤による対談企画。今回はドイツやスペインなど海外での挑戦を経て、今季からJFL鈴鹿ポイントゲッターズの藤島樹騎也選手です。スピードを武器にチャンスを作る25歳に、海外での経験、そして自身にとって“ターニングポイント”になったという鈴鹿加入について話を聞きました。
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◇藤島樹騎也(ふじしま・じゅきや)
1996年生まれ。三重県出身。25歳。
中京大を卒業後、Bonner SC(ドイツ)、FC Wacker InnsbruckⅡ(オーストリア)、UD Llanera(スペイン)、El San Martín (スペイン)と3カ国4クラブを渡り歩き、今季から鈴鹿ポイントゲッターズに加入した。
欧州3カ国でプレー 成長を実感したのはスペイン時代
――藤島選手、本日はよろしくお願いします。まずはブランドの印象を教えて下さい。
藤島樹騎也(以下、藤島):僕が大学時代の時にはもうサッカージャンキーが横浜FCのサプライヤーになっていたと思うのでその印象が強いです。大学時代の先輩に横浜FCユースの方がいて、よく練習着として着ていましたし、やっぱりクラウディオ・パンディアーニくんのロゴが印象的ですね。
――――藤島選手にも着用いただいていますが、お気に入りのウェアはありますか?
藤島:ワンポイントのプリントTシャツや選手のイラストがたくさんプリントされているTシャツはかなり気に入ってます。スペインにいた時からTシャツを着ているとチームメートにいじられることもありました。特に移籍した最初の頃とかはコミュニケーションのきっかけにもなって助かりました。
――中京大学卒業後にはすぐ海外へ渡り、オーストリア、ドイツ、スペインと3カ国を渡り歩きました。海外でプレーしようと決めたきっかけを教えて下さい。
藤島:大学を卒業した時にJ3クラブからはお誘いがありましたけど、僕自身はJ2よりも上のレベルでやりたいという気持ちを持っていました。ですが、最終的に自分が納得のいくオファーをもらうことはできなかったので、もっと成長するために海外に行きたいとの思いが強くなりました。愛媛FCの練習に参加した後、強化部の方からドイツのクラブを紹介していただいて、話をもらってから1週間でドイツ行きを決めました。
――海外でのプレーを経て、自分の中で特に成長を感じたのはどのような部分ですか?
藤島:プレーした中で特に印象に残っているのはスペインです。『世界は広いな』というか、僕がいた4部リーグでもすごい選手がいっぱいいました。一番成長できたのもこのスペイン時代で、自分の武器であるドリブルとスピードはどの国でも通用したと感じていて、今もしっかりと自分の強みになっていると思います。
今季JFL鈴鹿に加入 注目度アップに「鳥肌」
――今年3月から鈴鹿でプレーしています。どのような経緯で加入することになったのですか?
藤島:スペイン行くきっかけとなった(元スペイン代表FW)ダビド・ビジャのセレクション(『Road to Spain in 2020』)の関係者の方が鈴鹿のコーチになっていて、その方からお話をいただいて練習参加にすることになりました。鈴鹿はクラブの雰囲気もすごくいいし、あのカズ(三浦知良)さんもいる。僕はこの3年間、言葉もわからない場所でサッカーをしていましたけど、こうして日本に帰ってきて、監督と話している内に「ここにいたら絶対成長する。もっと上にいける」と確信しました。
――カズ選手の加入もあって、鈴鹿の注目度は高いです。観客数も激増しています。
藤島:スペインのときは観客が15人くらいで、来ているのは身内だけという状況でした…。今季のホーム開幕戦には4500人(公式記録は4820人)ぐらいのお客さんが来てくれました。自分は3年間、観客がほとんどいないところでプレーしていたので、スタンドを見て鳥肌が立ちました。
――やはり大勢の観客がいることはプレーにも影響はありますか?
藤島:自分はもともとお客さんの歓声があることでプレーに集中できるタイプなんです。監督の声すらもあんまり聞こえなくなるくらい(笑)。今はコロナで声が出せなくて拍手だったりしますけど、そこに声援があったら自分はもっと“舞える”と思います。いわゆる「ゾーンに入る」に似た感じですが、とにかく大舞台になればなるほど能力が発揮されるタイプなんです。
――天皇杯ではJ1首位の横浜F・マリノスとも対戦しました。日本でも屈指の強豪クラブとの対戦を振り返ってみていかがですか?
藤島:調子は良かったですが、アタッキングサードのところで迷いが生じる部分があったのは反省点です。そこで迷わずプレーできていれば、得点に絡むこともできたんじゃないかと思います。結果として負けてしまいましたけど、個人としてもチームとしてもジャイアントキリングを起こそうと士気が高くて、得られるものがとても大きな試合でした。これを「いい経験になった」で終わらせないように、次につなげていきたいです。
――個人的に通用したと感じた部分はありますか?
藤島:初速から最高速度に到達するまでのスピードに関しては、日本でもトップクラスの相手にも十分通用すると感じて自信に繋がりました。0から100に一気に加速する部分のスピードが一番の武器で、常に相手との駆け引きをしてボールを受けるように意識しています。
生まれ故郷・三重でのプレーは「涙が出るくらい嬉しい」
――生まれ育った三重(鈴鹿)でのプレーすることについても思いも教えて下さい。
藤島:やっぱり生まれ育った県でサッカーができるのはそれだけでものすごく幸せなことです。地元の友だちや家族が普通に見に来てくれる環境で、ふと涙が出るくらい嬉しいと感じる時があります。海外でも、もちろん楽しいことや幸せな瞬間はありましたけど、苦しいことのほうが多かったんです。その時にみんなが支えてくれていたのでなおさらですね。まだ母がスタジアムに来た時にゴールを決められてないので、母の目の前でゴールを決めたいですね。
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――カズ選手をはじめ、鈴鹿には経験豊富なベテラン選手がいます。同じチームでプレーして、影響を受けることはありますか?
藤島:ありがたいことにカズさんや中里(崇宏)さんと一緒にトレーニングをさせてもらっていますが、2人を見ていると今まで自分が努力だと思っていたことが、努力と呼べるものじゃなかったと実感させられました。2人からは「プロとは」というものをすごく学ばせてもらっています。そういう意味では鈴鹿に来たことが人生のターニングポイントになっていると思います。
――具体的に何かアドバイスをもらうことはあるのですか?
藤島:カズさんからはある試合前に「樹騎也、ドリブル中に悩むな。ネイマールもヴィニシウスもチャンスが5回あったら4回ミスすることもある。でも、1回でも決めればもうヒーローなんだ。気にせず行け」と言ってもらったことがあります。前の試合(第3節クリアソン新宿/2−0)は実際にドリブルからのアシストを決めてチームも勝っているので、そういう助言も自分の力になっています。
――最後に今季の目標を教えて下さい。
藤島:個人としての目標はシーズン前から決めていて、10得点以上と5アシスト以上を決めること。そして試合を決められる選手になっていきたいです。
――藤島選手、ありがとうございました!
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<聞き手>・堤 三優菜(つつみ・みゆな)
<文・編集>・石川遼