Claudio Pandiani
今までのワールドカップを振り返りながら自身の思い出や歴代名場面について株式会社1009(Claudio Pandiani)とサプライヤー契約を結ぶ方々にお話ししていただきました。第1弾は2006年ドイツワールドカップに出場した巻誠一郎さんです。
◇巻誠一郎(まき・せいいちろう)1980年8月7日生まれ。熊本県出身。2003年、駒澤大卒業後に当時のジェフユナイテッド市原に入団しプロデビュー。05年にジーコ監督の下で日本代表入りを果たし、06年のドイツW杯に出場した。ロシアや中国など海外でのプレーを経て、2011年に東京ヴェルディに加入。14年には熊本を本拠地とするロアッソ熊本へ移籍し、18年に現役引退するまで16年間のプロキャリアを全力で駆け抜けた。
それはもうドイツですね。自分が出た2006年ドイツ大会がやっぱり印象に残っています。
自分の場合はサプライズという形での選出だったので海外組と言われるほとんどの人たちとはじめましての状態ということもあって、緊張というか、心の準備もできないまま時が流れ去った感じの大会でした。
最後のブラジル戦に出た時も、出発前のミーティング直前に「スタメンで出るぞ」と言われ、準備する間もなく選ばれてしまったので、いろんな意味であっという間でしたね。
そうですね、緊張するのかなぁって思っていたんですけど意外に冷静でした。ピッチに立つまではめちゃめちゃ緊張していたんですよ。当時のドルトムントのスタジアム(ジグナル・イドゥナ・パルク)だったんですけど、観客はほぼほぼブラジル代表を見に来ていてめちゃめちゃ緊張しましたけど、試合が始まったら意外にというか普通に冷静でした。
そうですね、あまり過度に緊張することなく普段通りのプレーはできたんですけど、何もできなかったですね。(笑)
選ばれないだろうなとは思っていましたけど、できることをできる限りというかジーコさんが見に来ている試合では、ほとんどゴールを決めていたりとかここぞという時にゴールを決めていました。かといって選ばれるかどうかと言う問題になったときに“これはちょっと厳しいな”とは自分で思っていました。
自分はそれこそパッと入ったのであんまり選手を知らないような状況だったんです。はじめましての選手が多くて、そういう中で結構ヒデさん(中田英寿)が積極的にコミュニケーションをとってくれていたので、二人組でウォーミングアップとかはやっていましたね。
ヒデさんも1人でウォーミングアップすることが多かったので、ヒデさんに「やってみます~?やります~?」みたいな感じでずかずかいっちゃって、そこからは結構ヒデさんが「巻やるぞー」みたいな感じで言ってくれて「はーい」みたいな感じのノリでしたね。
基本的に練習ができる時間は1時間半とか2時間ぐらいでした。それ以外の時間はフリーな時間で、しかも海外だとホテルに缶詰め状態であまりどこにも行かないので、みんなでトランプをしたり自分はその時ツネさん(宮本恒靖)がキャプテン翼のDVDを持ってきていたので、それをずっと見ていましたね。
制限はされていなかったので3都市ぐらいは行きましたけど、かといって街に出て何かしようっていうのは全くなくてホテルが川沿いだったので、川沿いを散歩したりとかはしましたね。まぁ僕は大体散歩するかトランプするかDVD見ているかの3選択でしたね。あとは、1戦目・2戦目は全くメンバーに絡めなかったので自分とヤットさん(遠藤保仁:ジュビロ磐田)と土肥さん(土肥洋一:レノファ山口FC GKコーチ)と3人でひたすら毎日サウナに入っていました。
そうですね、ドイツ戦がある日はやっぱりすごかったですね。ドイツが勝った日は車がクラクション鳴らしながら街中走り回っている感じだったので“ドイツ勝ったんだなぁ”みたいな感じでした。日本じゃあまり考えられないのでサッカー文化が根ざしてるなという風に感じました。
あとは街の雰囲気的にも向こうの人たちはたくさんお酒を飲むし、お酒を飲むと陽気になるし、お祭り感はめちゃくちゃ街中に出ていたと思います。
その時はやっぱり注目度も日本で高かったですし、事前合宿とかでもJヴィレッジで20,000人かな?が練習に足を運んでくれました。直前の親善試合でドイツと良い試合をして引き分けたりとか前評判が高かった分やっぱり喪失感というか“もっとできたんじゃないかなぁ”っていう感じは強かったかもしれないですね。だからどちらかというと“失敗したな”っていう感じですかね。
チームの中の雰囲気もやっぱり勝てなくなるとなかなか良くならないのでその中でもっといろんなことができたんじゃないかなと感じました。
やっぱり決勝トーナメントには行ってほしいなと思います。
けどドイツ・スペインのどちらかを倒さないといけないのでかなり厳しいと思いますし、意外とめんどくさいのはもう一つのコスタリカですかね。
自分が出たドイツワールドカップの時も、初戦オーストラリアでつまずいてしまったので初戦が大事なんじゃないですかね。逆にワールドカップで決勝トーナメントに行くチームというのは初戦を落としているチームはほとんどないんじゃないですかね。やっぱり初戦っていうのは予選リーグといえどもトーナメントに近い感覚という感じでした
そうですね、やっぱりこれから先を考えたら若い選手には頑張って欲しいですね。久保くん(久保建英:レアル・ソシエダ)とかもよく試合に出ていますし。
攻撃的な選手で若い選手・活きがいい選手が必ず必要なんじゃないかなと思うので、上田選手(上田綺世:サークル・ブルッヘ)とか誰かもう1枚ぐらい若い選手が僕はFWで選ばれるべきだなというのは思っています。
そうですね、日本のストライカーって攻撃だけじゃなくて守備とかチームの駒としての役割というのも大きいですね。その辺も踏まえてオリンピックで林選手(林大地:シント=トロイデンVV)がブレイクして活躍したみたいなああいう選手は大事なんじゃないかなと思います。
僕はサプライズがあるとすればFWだと思っていてE-1サッカー選手権とかを見ていても、町野選手(町野修斗:湘南ベルマーレ)とかすごく臭いがあるなぁと。オリンピックの林選手みたいな形でコンディションが上がらない選手が多い中、自分はコンディションがいいと思うので。あとは西村選手(西村拓真:横浜F・マリノス)とかどちらかですかね。
そうですね。僕もE-1サッカー選手権がデビューでした。まぁただちょっと時間があまりなさすぎてここはどうなるかわかんないですけど、人数も増えましたしそういう選手を1人ピックアップされると良いのかなと思います。