株式会社1009(Claudio Pandiani)とサプライヤー契約を結ぶアスリートと弊社スタッフ堤による対談企画。今回はJ2ファジアーノ岡山FCで活躍する左サイドバックの徳元悠平選手です。プロサッカー選手を目指すきっかけとなった祖父の存在――。同じ左利きで憧れている選手とは――。様々な質問に答えていただきました。
◇徳元悠平(とくもと・しゅうへい)
1995年生まれ。沖縄県出身。27歳。
那覇西高校時代に高校サッカー選手権に出場。城西国際大学を経て、2018年に当時J3のFC琉球に加入し、プロデビューを飾った。2020年にファジアーノ岡山FCへ移籍。左サイドバックとして攻守に渡る貢献を見せている。
「すね当ては膝に近い位置まで」徳元選手のこだわりとは?いい指導者に恵まれた」
――本日はよろしくお願いいたします。最初にClaudio Pandianiというブランドのイメージを教えていただけますか?
徳元悠平(以下、徳元):最初は代理人を通して紹介してもらったのですが、まずはやっぱり可愛いというイメージですよね。沖縄の実家では犬を飼っていて動物が大好きなので、とてもいいなと思っています。
――着心地などの感想もいただけると嬉しいです。
徳元:長持ちする素材が多くて着やすいなという印象です。僕は沖縄出身で寒さに強くないので、冬用の温かいウェアなどは岡山に来てからすごく助かってます。
――お子さまとのペアルックをされたりなんてこともありますか?
皆川:それはありますよ。娘はパジャマとしてサッカージャンキーの服を着ています。最近はアウトドアの機会も多くなってきたので、そういう時にサッカージャンキーの服が活躍しています。
――ありがとうございます!普段から着るものに関して、こだわりなどはありますか?
徳元:実は今年ぐらいまでファッションにはあまり興味なかったんですけど、Claudio Pandianiさんと契約していろいろ見るようになると気になるものが増えてきました。奥さんからもおすすめしてもらうようになりました。私服でも着やすくて嬉しいです。
※トップス/SJ21B51/パーカー/ブラック/Lサイズ
※シューズ/SJ22A39/スニーカー/ホワイト/Lサイズ
――普段、服を買う時に気にするチェックポイントはありますか?
徳元:シンプルなものが好きで派手なのは似合っていないと思うので、白や黒のものを選ぶことが多いですね。
――ユニフォームの着方にこだわる選手もいると思いますが、徳元選手はいかがですか?
徳元:サイズは大きすぎず小さすぎずで、ぴったりで着ています。それからソックスは膝上まで上げるのがこだわりですね。すね当て(レガース)も僕は膝に近い位置まで上げています。ボールを蹴ったときに当たってしまうのが嫌なんです。
転機は小学2年生「これがなければサッカーと出会うことすらなかった」
――徳元選手は那覇西高校、城西国際大学を経て、2018年にFC琉球に加入してプロデビューをされました。プロ選手を意識し始めたのはいつごろでしたか?
徳元:小学校5年生くらいの時にはもうサッカー選手になりたい、サッカーで稼いでいきたいと思っていました。当時はイングランドのチェルシーFCがすごく強くて、週末におじいちゃんの家で試合を観ていました。それと高校サッカーの影響も大きかったです。プロに行く選手の活躍をテレビで観て、自分もこの舞台に立ちたいという気持ちがすごく強くなりました。
――実際に那覇西高校時代に高校サッカー選手権にも出場されていますよね。
徳元:やっぱり選手権は特別な舞台でした。国立競技場には開会式の入場行進でしか立つことができませんでしたけど、フクダ電子アリーナで試合をしました。プロが試合をしているピッチでプレーできたことは、当時の僕にとって本当に貴重な経験でした。
――サッカー人生での転機を挙げるとしたら、それはいつになりますか?
徳元:僕がサッカーを始めたきっかけは、おじいちゃんが沖縄県糸満市のサッカー協会の会長をしていたからなんです。二つ年上のお姉ちゃんと一緒にサッカーを始めたんですけど、このスタートがなければサッカーと出会うことすらなかったと思うので、おじいちゃんにはすごく感謝してます。今でも僕が試合に出ていない時は、おばあちゃんから「おじいちゃんが悲しんでるよ」と連絡がきます。なので、小学校2年生でサッカーに出会ったことが僕にとっての転機だったと思います。
※トップス/SJ21B51/パーカー/ホワイト/Lサイズ(写真:徳元選手インスタグラムより tokumoto05)
――2020年にFC琉球からファジアーノ岡山FCへ移籍して背番号が5番から41番に変わりました。41番を選んだ理由はあったのですか?
徳元:岡山に来たときに5番を他の選手がつけていたということもありますが、昔から家長(昭博/川崎フロンターレ)選手が好きで、それで同じ41番を選んだというのもあります。同じ理由で41番をつけてる選手も多くいると思いますけど、僕も左利きで(家長選手に対する)憧れを持っていましたし、足すと5になるというのもいいなと思って選びました。周りからの評判も良くて、岡山で5番が空いた時期もあったんですけどもう3季連続で41にしています。
――沖縄を離れて岡山へ移籍するのは大きな決断だったと思いますが、当時の心境はどのようなものでしたか?
徳元:沖縄で生まれ育って、FC琉球に加入できたことは本当に嬉しかったです。でも、それ以上にサッカー選手として上を目指すためには、家族がいる沖縄でやり続けるのは甘えだと思ったんです。サッカー選手として長くやるためにはもっとうまくならないといけないと感じていましたし、簡単な決断ではなかったんですけど、覚悟を決めて移籍できたと思っています。
――岡山に来て、大変だったことはありましたか?
徳元:最初は本当に寒くて震える朝晩を過ごしたのをよく覚えています(笑)。家族で「寒いね」って。沖縄では体験できない寒さで、初めてちゃんとしたダウンを買いました。寒さにはだいぶ慣れてきましたけど、今でもシーズン始動の次期は他の選手よりも多く着てます。
――岡山のサポーターの雰囲気はいかがですか?琉球との違いを感じますか?
徳元:すごく温かいサポーターが多くて、クラブハウスがあるのでプレゼントとかも届いて、これもプロサッカー選手ならではなんだなというのを感じました。琉球のときはクラブハウスがなかったのでそういうのはなかなかなかったですから。本当にみなさん優しいというか、選手を心の底から応援してくれているのをすごく感じます。まだホームでは2019年の開幕戦しか声出し応援はできていないんですけど、サポーターの声援があったら、僕らのテンションもパフォーマンスも上がるんだろうなと思いながら、待ち望んでいます。街の雰囲気もすごく良くて、住みやすいと感じています。
――やはり、声援のあるなしで選手にも影響がありますか?
徳元:そうですね。個人チャントもありますし、苦しいときにサポーターの声で走れることもあります。一度、山形との再試合(J2リーグ第8節)で声出し応援がありました。それはアウェイで、僕も出る機会はなかったですけど、あの試合も声出し応援があったからこそ勝てたと思います。平日なのに岡山から遠い山形まで来てくれるのは本当にありがたいこと。そうやって岡山が一体となって戦えていることも今季は大きいのかなと思います。
――試合終わりに選手はサポーターに挨拶回りをしますよね。その時に意識されていることはありますか?
徳元:僕はゲーフラ(ゲームフラッグ)や、41番のタオルマフラー、ユニフォームを探してお辞儀をしようと決めています。結構遠い席からも掲げてくれている人がいるので、それには手を振って応えるようにしています。そういうのは気にかけて、ちゃんと『あなたに向けてやっているよ』というのを伝えたいんです。
※ソックス/CP19605/ホワイト/Fサイズ
※シューズ/SJ22A39/スニーカー/ホワイト/Lサイズ
(写真:徳元選手インスタグラムより tokumoto05)
対戦して印象的だった選手、参考にしている選手は?
――徳元選手は貴重な左利きのサイドバックとして活躍されています。同じポジションで参考にしている選手などはいますか?
徳元:長友(佑都/FC東京)選手がずっと好きです。(長友選手は)右利きですけど、左サイドバックをやっていますし、誕生日が一緒(9月12日)という共通点もある。自分もあんなに走れて戦える選手になれたらいいなと思っていつも見ています。あとは登里(享平/川崎フロンターレ)さんのクロスも気になってチェックしています。
――では、実際に対戦した選手で特に印象的だった選手はいますか?
徳元:横浜F・マリノスの仲川輝人選手です。琉球の1年目に練習試合で対戦したんですけど、とにかく速くて上手くて衝撃を受けました。僕は左サイドバックなので、右ウイングの家長選手ともいつか対戦してみたいですね。
――攻撃と守備ではどちらが好きですか?
徳元:もちろん攻撃も好きですけど、ドリブルがそんなに得意ではないので、どちらかと言えば対人の守備ですかね。1対1の守備に関して『抜けるんだったら抜いてみろ』という感じで本当に自信を持っている部分です。相手との駆け引きもうまくやれていますし、J2で対面の相手に負けていたらJ1に上がってやっていけないと、そういうメンタリティーを持ってプレーしています。
――今季チームは好調で、J1に向けて昇格争いをしています(第38節終了時点で3位)。徳元選手自身は昨季との違いを感じていますか?
徳元:去年までのチームが駄目だったとか、特に今年がいいと感じているわけではないんですけど、クラブとしての本気度をすごく感じています。もちろんみんな毎年昇格を目指してやっていますけど、よりクラブが岡山全体を巻き込んで(J1に)上がるぞという意識を持っていて、それが良いパフォーマンスを維持できている要因だと僕は思っています。
――では、最後に最終盤に向けての意気込みをお願いします。
徳元:本当に今は上の2チーム(首位のアルビレックス新潟、2位の横浜FC)を追いかけるだけというはっきりとした目標があります。下から追われてるという意識は選手には全くないですし、一戦一戦を毎回決勝戦のように緊張感を持ってやれている結果が好調につながっています。チームの雰囲気もいいですし、岡山らしく我慢強い守備から得点を取っていければ絶対に勝てるはずなので、それを自分たちに言い聞かせて最後まで戦っていきたいです。
――徳元選手、ありがとうございました!
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取材日:9月12日
<聞き手>・堤 三優菜(つつみ・みゆな)
<文・編集>・石川遼