【特別企画~代表青木が語る~】サッカージャンキーが日本酒を作った”ワケ”
「サッカージャンキー」を展開する株式会社1009は、2007年の設立から今年で17年目を迎えます。
そんな我々が新たに手掛けることになったのはジャパニーズ・サケこと日本酒です。
この度、山形県酒田市にある酒蔵『オードヴィ庄内』とタッグを組み、オリジナルの日本酒を造りました。
スポーツアパレルブランドとしては異例の取り組みとなります。
代表の青木ハヤトに新事業を始めたワケ、そしてそこに懸ける想いを伺いました。
◇ ◇ ◇
なぜサッカージャンキーはお酒を造るのか?

「きっかけは昨年から起きている円安です」。代表の青木は日本酒事業を始めるに至った理由をこのように話します。
「私たちは普段洋服を作っていますが、円安の影響で原材料が高騰してしまいました。一時期1ドルは150円を突破し、さすがに何か手を打たないといけないだろうとなりました。
そこで必要だったのが日本から海外に出ても勝負できる商品企画でした。日本が世界に誇れるものは何だろうと考えたなかでたどり着いたのが日本酒でした。会社のカラーでもある「本気でふざける」というコンセプトにも相まってチャレンジしたいなと。」
タッグを組むことになったのは山形県の酒田市にある酒蔵「オードヴィ庄内」。
ここで造られているのは鳥海山の伏流水を汲み上げる良質な水から醸造する全量手造りにこだわった日本酒。
ボトルのラベルにはイラストレーターのJerry氏が手掛けるイラストを使用しています。
中身のお酒はすべて同じですが、様々なデザインのラベルを用意することで雑誌やCDのように『ジャケ買い』を楽しんでほしいという思いが込められています。

「日本から世界へ」。
これは会社設立当初からサッカージャンキーが掲げていたキーワードであり、サッカージャンキーが世界のビッグクラブのサプライヤーになることを目標としていました。
しかし、ブランドが17年目を迎えるなかで青木はより具体的な挑戦の必要性を感じていたといいます。
この日本酒事業をきっかけに、会社の中に「グローバルマインド」を浸透させたいと胸の内を明かしています。
「もう一つの狙いとして、会社の中に海外志向の感性、要するに“グローバルマインド”を浸透させるきっかけにしたいと思っているんです。
円安もあって今日本はどんどん不景気になっています。
コロナは落ち着いてきましたけど、その打撃は残っていて、国内だけで仕事をすることに対して危機感を持っている人は多いと思います。
そうしたなかで自分たちの会社の商品を世界中に向けて発信することができれば、その国のことも意識するようになる。
アジアやヨーロッパ、アメリカ…世界中の国にシェアが広がれば、日本だけでなく海外にも販路がある事で世界観も広がり営業の選択肢も増えるのでとてもポジティブになれる。
そうやってグローバルマインド化が社内に広がることで、きっと新しい挑戦をしたいという社員も増えてくるかもしれない」
青木は「日本酒のおかげで『日本から世界へ』のキーワードがすごく身近なものになっています」と笑顔を浮かべます。
コロナ禍で日本中に閉塞感が漂うなかで、そこから脱するためのきっかけとして取り組む新事業に大きな可能性を感じているという。
「今やリモート出社やオンライン会議なんかが当たり前になりましたよね。実は10年前から弊社も正社員だけじゃなくて、来社せずにリモートだけでやり取りするデザイン系のスタッフと契約するなど雇用形態を実施しておったので抵抗感は全くありませんでした。
今後はそれが日本人だけじゃなくて、外国人も増えてくるはずです。
会社にいないと不安とか、ちゃんと仕事ができないというネガティブな考え方よりも、リモートでもちゃんとできるというポジティブな考えにシフトして、うまく波に乗ってグローバル化を広めていきたいなっていう思いもあるんです。
例えば社内の人間がベトナム在住のグエン・ティ・ニュンさんという名前のデザイナーと電話でやりとりしてて名前を何度も噛んじゃったりして。それを横目にクスクス笑ってるみたいな事をしたいです(笑)」

海外マーケットを意識して始まったこの日本酒事業。
現時点で飲食店でこの日本酒を楽しめるのは六本木にある『鮨 佐がわ』のみだが、海外旅行者が利用の多い量販店を中心に一般販売も展開する予定だ(直販の予定はなし)。
青木は「これまでにない新しい事業ということで色々な発見があります。国によって、お酒に掛かる税率が全く違っていたり、SNSでお酒の宣伝をしてはいけないといった法律もあることを知りました。
例えば、タイではお酒の広告宣伝をSNS含めてしてはいけないとか。どうやって認知を広げるのだろうなど。またお酒という嗜好品は税率が高いので実際売られる値段は倍以上じゃないと市場に卸せないのでもっと安くしてくれと交渉されることも多々です。
しかしながら私たちとしても16年間やってきたブランドとしての価値を損なわないためにも値段を落とすわけにはいかないので、そのあたりはうまく考えてやっていきたい」と意気込みを明かします。
さらに「日本酒にまつわるものは全てやっていきたいなと思っています。言ってしまえば、お酒の原料になってる水とお米」と今後の展望も明かしていました。
そこにはこんな思いも込められています。
「これは余談ですけど、最近ミネラルウォーターの『ボルビック』が自販機やコンビニから姿を消したことにお気づきになられましたでしょうか?現在フランスでは水不足の為に輸出してる場合じゃないという理由で日本から撤退したようなんです。 コロナをきっかけに地球の生態系が大きく変わり始めている事も感じるとともに資源の重要性というのも意識するようになりました。
そして日本の水は世界にも誇れるものだからこそ、ヨーロッパに向けて売るというチャレンジもしてみたいんです。
それと同時にやっぱりお米もやりたい。
お米に関しては、自分たちで田んぼを持ってその田んぼを社員の人たちに配当するという取り組みも考えているんです。
これには弊社の社員の子どもたちが土に触れる機会をつくりたいという思いがあります。
食べるものを自分で収穫したり、田植えをする経験って今はもうほとんどなくなってしまったと感じています。
だからこそ私たちはそういう道徳的な部分も発信していけるスポーツブランドでもありたいんです。」
スポーツブランドが日本酒をプロデュース――。
サッカージャンキーが世界へ羽ばたくための大きな第一歩がここから始まります。
(2023.3.31)
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